寺院活性化のための情報
“学び”と“実践”のための研究会
第34回は、令和6年3月28日(木)
「葬式仏教 価値向上委員会」第34回研究会
第34回研究会のテーマは
「お寺の行動経済学
──檀家はなぜそうした行動をとるのか? 」
講師は、
慶應義塾大学教授授 の 中島隆信氏
■これからの寺院活動を考える上で必要不可欠の考え方
■お寺が直面する問題点を明らかにする
■檀家の行動の理由が見えてくる
■葬送の簡素化、お寺への無関心、お布施への不信感などを考えるヒントに
過去のセミナーのダイジェスト動画も見ることができます。
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3人のノーベル経済学賞を輩出
行動経済学という学問がある。
人間が感情の影響を受け、「必ずしも合理的でない行動」を起こすため、心理的アプローチで人間の行動を研究する経済学のことである。21世紀に生まれた新しい学問であるが、既にこの分野では3人の行動経済学者がノーベル経済学賞を受賞している。
人間は必ずしも合理的な行動をとらない。そして合理的な行動をとらないのには理由がある。それを科学的に分析する学問と言ってもいいだろう。
慶応義塾大学の中島隆信教授は、この行動経済学を、仏教をめぐる人々の行動分析にあてはめた研究を行ってきた。昨年にはその成果を『お寺の行動経済学』(東洋経済)という書籍にまとめて出版している。
祈りという非合理的な行動を分析
中島教授は、「祈り」という行動に注目し、そこからお寺のあり方、仏教のあり方に迫っていく。
「祈り」という行動は、まさに非合理的な行動である。しかし宗教は、この「祈り」無しには成立しない。「こうした祈りの場のひとつである仏教寺院にスポットを当て、なぜ仏教が一般の人たちに祈りを提供するようになったのかを考察」しているのが中島教授の研究である。
そして中島教授は現代の仏教に対して、こう問いかける。
「葬式は基本的に死者のために行う宗教活動であって、それが現世に生きる人たちにとってどんな意味があるのかを説明する必要がある」
「私たちは人生の様々な節目で祈る。それは昔も今も変わることがない。祈りには明確な動機があり、それを実施する場としての寺とその手助けをする僧侶がいる。はたして日本の仏教は現代人の祈りと積極的にかかわっているだろうか」
祈りは人の行動をどう変えるのか?
行動経済学の分析方法は、今まで単に「そういうもの」とされてきた宗教的行動の動機を考えるヒントになる。
・なぜ人は死者を弔うのか?
・祈りは人の行動をどう変えるのか?
・儀式は人の行動にどんな影響をもたらすのか?
・なぜ人は神仏に願い事をするのか?
・人はどうやってお布施の金額を決めているのか?
・なぜ現代人は葬送を簡素化しようとするのか?
といった、仏教をめぐる人々の行動の理解に役立てることも可能だ。
今まで理解できなかった檀家の行動の理解のために
これからのお寺の活動を考えるのにあたって、檀家の考えや気持ち、そして行動を理解することは大切である。
現代では、お寺と人々、とりわけお寺と檀家の関係性は、大きな変化の波のなかにある。今後、さらに変化のスピードが速くなっていくのは間違いない。
近年は多くのお寺が、新しい寺院活動を模索し、様々な取り組みを進めている。しかしその取り組みが必ずしも成功しているわけではない。
檀家の気持ちや考え、そして行動がわからなければ、どんな取り組みも空回りしてしまう。人々の行動を知ることは、お寺を活性化していく第一歩であるのだ。
今回のセミナーで中島教授には、この行動経済学をつかって現代の仏教を分析していただくとともに、日々の寺院活動に役立てていただくため、行動経済学の基本的な考え方についてご教示いただく。今まで見えなかった檀家の行動に対する理解を深めていただければと思う。
株式会社寺院デザイン 代表 薄井秀夫
過去のセミナーのダイジェスト動画も見ることができます。
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■テーマ 「お寺の行動経済学
──檀家はなぜそうした行動をとるのか?」
■講師
中島隆信氏 慶應義塾大学教授
■プログラム
①講義「お寺の行動経済学」
②グループディスカッション
■日時
令和6年3月28日(木)午後1時30分〜4時30分
■場所
仏教伝道センタービル 7階会議室「見」の間
東京都港区芝4−3−14/TEL 03-3455-5851
JR山手線「田町駅」三田口より徒歩8分、
都営地下鉄三田線「三田駅」
および浅草線「三田駅」A9番出口より徒歩2分
■定員
各40名
■申込締切
3月23日(土)
※ただし、定員になり次第、受付は終了させていただきます。
■参加費
10,000円/1名(税込)
※葬式仏教価値向上委員会は、会員制の研究会です。
(年会費10,000円)。
※申込みの方は、自動的に会員となります。
※申し込み受付後、振り込み用紙を送付させていただきます。