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終活と葬式仏教【葬式仏教価値向上委員会】

 「葬式仏教価値向上委員会」の第1回研究会を、皆さんのおかげで、無事終えることができました。
 講師の講義だけでなく、参加者同士のディスカッションによって、意見や情報、ノウハウなどを共有することも目的の研究会です。
 

 

 まずは講師の寺尾俊一さんに講義をしていただきました。寺尾さんは、家族葬専門葬儀社であるオフィスシオンの代表です。
 現代社会の葬儀をめぐる状況を、現場の視点からお話しされました。特に、これまで供養業界の川上(一番最初に顧客と接触する存在)とされてきた葬儀社が、もはや川上であることができなくなりつつあるという現状は、衝撃的でした。
 事前相談が普及するにつれ、士業、金融、保険、介護、医療、流通が、終活をめぐる業界に参入し、葬儀社より先に顧客と接触するようになってきているというのです。この傾向は、これから先も進んでいくわけですから、業界の再編成がさらに進んでいくのは間違い無いというのです。
 また現状の終活ブームには、宗教という視点が抜け落ちている現実にも警笛をならしていました。終活ブームで、自らの死について考えるのは悪いことではないが、死をめぐる段取りにばかりに目が行って、肝心の死生観を育むということが忘れ去れているというのです。
 そして、こんな時代だからこそ、お寺が積極的に終活に取り組むことで、宗教観、死生観を育む終活を広めることができるのではないかという提案もいただきました。さらには、お寺がもっと積極的に葬儀に取り組み、葬儀社主導の葬儀をお寺主導に変えていくことも、取り組んでいくべきだと提言されました。
 

 

 
 寺尾さんの講義の後は、3グループにわかれて、1時間30分にわたって意見交換を行いました。
講義に関する意見に加え、参加者それぞれのお寺で行っている「終活に関わる取り組み」について紹介するとともに、それを実現させる苦労や問題点などを報告したりしました。
 終活イベントに関しては、今後、取り組んでいきたいと考えている参加者が多かったため、実際に取り組みを行っている方の報告には、たくさんの質問がなされ、活発な議論となりました。
ま た、講師の寺尾さんの話の中にもあった、お寺主導の葬儀はどうしたら実現するかなどについて、アイディアの一端を出し合うような場面もありました。しかも司会のほうから参加者に問いかけると、その約7割が既に、お寺を会場に葬儀を行う取り組みをしているということも明らかになりました。さらには、お寺が主体となった葬儀社をつくったらどうか? との意見が飛び出すなど、かなり突っ込んだ議論が交わされました。
 
 今回行った第1回の「葬式仏教価値向上委員会」が成功したのは、こうした意欲的な僧侶の方々が数多く参加してくださったことにつきます。「考えているお坊さんスゴイ」と、しみじみ思いました。
 
 

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