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伝える方法としてのマーケティング

前回、永代供養墓の募集を行うことは、お寺にとってのパラダイムシフトが求められることを述べました。そのひとつの要素として、これまでのハード重視の布教から、ソフト重視の布教に転換しなければばらないことを挙げました。
 
これは逆に言えば、お寺の努力次第、お寺の工夫次第で、布教の成果が生まれるということです。これまでの墓地募集では、どちらかというと、立地や格式、あるいは境内伽藍の景観が重要でした。しかしこれらは、それぞれのお寺に既に備わっているものです。こうした要素を改善することは、極めて困難です。条件の悪いお寺は、いかに努力しても、改善の余地がありません。
 
それに対して、お寺のソフト部分については、どんなお寺であっても、スタートラインは平等です。つまり、どんなお寺であっても、チャンスがあるのです。
 

それともうひとつ言えることは、永代供養墓の募集は、お寺らしい布教の手段でもあるということです。墓地の募集は、どちらかと言うと不動産販売業に近いところがあります。マンションを売る方法とかなり似ています。
 
一方、ソフトが重視される永代供養墓の募集は、サービス業に近いでしょう。どれだけ安心して、永代供養を受けられるか、ということは、どれだけ安心して、サービスを受けられるかということと似ています。
 
お寺は、モノ売りではありません。お寺のミッションは、信仰や供養、安心というソフトを提供することです。その意味で、永代供養墓は、実にお寺らしい布教手段と捉えることができるのです。
 
また、永代供養墓の募集で、大きな比重を占めるのが、広報戦略です。広く言えばマーケティング戦略と言ってもいいでしょう。
 
宗教の世界で、マーケティングと言うと、「いかがわしい」と考える人もいるでしょう。たしかに新宗教などが行っているマーケティング戦略の中には、良識を疑うものも多くあります。
 
でも考えてみると、日本仏教の祖師方、最澄、空海を始め、道元、法然、親鸞、日蓮はみな、「教えを伝える」マーケティング戦略を持っていました。緻密に考えられた戦略があったからこそ、素晴らしい教えを人々に伝えることができたのです。
 
ここではわかりやすくマーケティング戦略という俗の言葉を使っていますが、布教戦略と言い換えることも可能です。
 
ビジネスの世界では、いい商品をつくってもビジネスは生まれない、いい商品をつくったなら、その商品の良さを如何に伝えるかを考えて始めてビジネスが生まれる、と言われます。
 
世の中には、いい商品なのに、サッパリ売れないものがたくさんあります。もしかしたらその代表格が、仏教なのかもしれません。「いい教え」なのにサッパリです。昔は、それほどサッパリじゃ無かったはずなのに。
 
「いいもの」は、伝えないと意味がありません。その意味でマーケティング戦略は重要なのです。
 

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